— 茶道の精神と“侘”の美意識を学ぶ —
11月5日(水)、本校にて、茶室(徳心庵)の開設10周年を記念した「茶の湯体験イベント」が開催されました。
本イベントには、かつて国会議員秘書の経験があり、現在、裏千家教授、元裏千家淡交会副理事長としてもご活躍された関根秀治博士、茶道講師の関根淳子先生、そして、お嬢様の万壽子先生が特別講師、また、裏千家淡交会釜山協会副会長の鄭貴順先生などの方々が協力されました。当日は学生や教職員など多くの関係者が集まり、日本の伝統文化に触れる貴重なひとときとなりました。
イベントの前半では、関根秀治先生による約40分間の講義(「茶道における価値観と美意識」)が行われ、“佗(わび)”の精神について深く学びました。講義は通訳を交えながら進められ、学生たちは「佗」とは何か、その中に込められた日本人の心のあり方を考える良い機会となりました。
また、講義の中では「中庸・中和」という考え方にも触れられましたが、これは「多すぎることもなく、少なすぎることもない、ほどよい状態(過不及)」を意味するものであり、茶道においても大切にされている心構えだといいます。喜怒哀楽といった感情も過剰にならず、常に穏やかであることが理想の姿であると優しく説かれた先生の言葉に学生たちは深く共感し、心の中に静かな余韻を残していました。
講義の後半では、関根淳子先生と万壽子先生、そして、裏千家の先生方による茶道の実演が行われました。
湯を注ぐ音、茶筅が立てる柔らかな音、そして抹茶の香りが静かな空間に広がり、その一つひとつの動作に日本文化の繊細さと「和」の美しさが感じられました。見ている学生たちは息をのむように静まり返り、まるで時が止まったかのような空気の中で、その所作の美しさに見入っていました。ある学生は「先生方の動き一つひとつがまるで舞のようで、日本らしい“静”の美を感じました」と話していました。
続いて行われた茶道体験では、学生たち自身が実際に茶筅を手に取り、抹茶を点てる体験をしました。先生方の丁寧なご指導のもと、一人ひとりが真剣な表情でお茶を立て、日本から持参された和菓子とともに味わいました。初めて茶筅を扱う学生も多く、抹茶を泡立てる手元は少しぎこちながらも、心を込めて茶を点てる姿が印象的で、抹茶のほどよい苦みと和菓子の上品な甘みが調和し、会場全体が穏やかな空気に包まれました。
体験を終えた学生たちからは、「お茶を点てる中で“佗”や“中庸”という言葉の意味を少し理解できた気がします」「静けさの中に心が落ち着いていくのを感じました」といった感想が多く寄せられました。今回のイベントを通して、学生たちは単に茶道の作法を学ぶだけでなく、その背後にある精神性や美意識、そして、人と人とが心を通わせる「和」の精神に触れることができました。
「茶の湯」を通して学んだ“佗”と“中庸”の心が、学生たちの今後の人生にも静かに息づいていくことでしょう。

関根淳子先生による茶道の点前の実演






企画・取材・文:アサディ アルミタ(아사디 아르미타)
写真:ハム・テファン(함태환)
日本語監修:達川あんる(타츠카와 안루)
所属:日本語融合学部 ビジネス日本語専攻 韓日キャリアデザイン(釜山・韓国広報団 B&J)サークル


